- させる
- I
させる(助動)〔助動詞「さす」の下一段化したもの〕上一段・下一段・カ行変格活用の動詞の未然形に接続する。 場合によりサ変動詞にも付く。(1)使役の意を表す。 (ア)誰かに対して動作をしかけるように他にしむける。
「老人が若者に少女を助け〈させ〉た」(イ)動作をするように, 誰かにしむける。 「捕手が投手に直球を投げ〈させる〉」
(2)自動性の動詞に付いて, 他動性の動作のはたらきかけを強調する。「民衆の興奮をしずめ〈させる〉」
(3)動作の放任・許容の意を表す。「あと三〇分ほど寝〈させ〉ておこう」「一日二日考え〈させ〉てくれ」
(4)不本意なことや迷惑なことを表す。「いろいろ心配をかけ〈させ〉て, 申しわけありません」
(5)(「させられる」「させ給う」などの形で)動作者に対する尊敬の意を表す。「親しく被災地を御覧ぜ〈させ〉られた」
〔サ変動詞「する」に接続するとき, 本来は「せ〈させる〉」であるが, この形は, 敬語の「せ〈させ〉給う」「せ〈させ〉られる」などの場合以外はほとんど用いられず, 現代ではただ「させる」(サ変動詞の未然形「さ」に助動詞「せる」を付けたもの)の形を用いるのが普通である。 もっとも, 「決する」「制する」など, 漢字一字の漢語と複合した類のサ変動詞には, 「決せ〈させる〉」「制せ〈させる〉」などとなる〕IIさせる(動サ下一)〔サ変動詞「す」の未然形「せ」に助動詞「さす」の付いた「せさす」の転〕(1)人にある動作をするようにしむける。「この仕事は彼に~・せよう」「覚悟を~・せる」
(2)することを許す。 するにまかせる。「本人の好きなように~・せる」
→ させる(助動)IIIさせる【然せる】(下に打ち消しの語を伴って)とりたてていうほどの。 さほどの。 さしたる。「~こともなく終わる」「~御咎めもなく/怪談牡丹灯籠(円朝)」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.